忍者ブログ
ξ引き籠もり中ξ
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

自分の成長の遅さが、イヤになる。

 

子どもだとバカにされる。

どんなに強くなっても、

何をしても、

 

この距離は埋められない。

 

 

【二人の時間】

 

知らなかった。

と言うか、教えて貰うことすら思いつかなかった。

 

また一つ、差が開く。

また一つ・・・もやもやが増えた。

 

「イライラする…」

窓の外を眺めれば、野球部がボールを追っかけているのが目に入った。

「委員長?」

視線を室内に戻すと、腰を上げた。

「草壁、後は任せたよ」

「はいっ!」

 

委員会の後今日の日報を書くことを止めて、帰宅することにした。

朝からイライラして落ち着かない。

委員会でも、くだらない話ばかり。

時間が経てば経つほどイライラは募り、何に苛ついているのかさえ分からなくなってきていた。

 

それは朝のたわいのない話から始まった。

 

 

 

校門前。登校してくる一つの群れを見かけ、その会話に珍しく耳を傾けた。

 

「今日ディーノさんの誕生日だって言うから、山本んちでパーティーしようって、連絡したんだけど…ディーノさんの返事がまだなんだよね」

つぶやく様に言う草食動物。

「10代目、また山本んところっすか!?」

「いいんじゃねぇの? ツナは、寿司が好きだよな?」

「ディーノさんも、お寿司好きだって言っていたよね? だから、山本の提案に乗っかったんだよ、獄寺くん!」

白いマフラーを首に巻き、鼻の頭を赤くした草食動物は、僕の横を気づかず通り過ぎる。

「じゃあ今日は帰り、みんなで山本んところ、集合っすね!」

「うんっ! 楽しみだね~ あっ……プレゼントとケーキは、京子ちゃんとハルが用意してくれるって! 後、飾りは風太とビアンキがやっておくって言ってたから、そんなに俺たちがやることないかも知れないね?」

 

朝の冷たい空気の中、そこだけは陽だまりの様な暖かさがあるように見えた。

 

「あ……!?」

「??どうしたんすか、10代目?」

側を守る様に歩く獄寺隼人は、足を止めた草食動物に振り返る。

 

「ひ…雲雀さんっ! お、おはようございます!!」

「……おはよう。…相変わらず群れているみたいだね」

本当は強いはずのこの草食動物の沢田綱吉は、必ず周りに誰かが居た。

「10代目っ…なんでこんなヤツに声かけるんですかっ!!」

確かに……僕に気づかず目の前を通り過ぎていったくせに、戻ってくるのはどういうことだ?

だがそんな僕の気持ちに気づくはずなく、草食動物は僕の目を見て必死に口を開いた。

 

「あ……あのっ…今日、山本んちでディーノさんの誕生日パーティー開くんですけど、そ、そのっ……ひ、雲雀さんも来ませんか!?」

 

突拍子のない申し出に僕は少し驚いた。

 

「ディーノさんも喜ぶと思うし。あ、ほら…リング戦の後の打ち上げ会も、雲雀さん来てなかったし…」

僕が群れるのを嫌いだって知っていて、誘っているのだろうか?

「俺んちの寿司は、サイコーだぜ、雲雀!」

山本武は満面の笑みを向けてくる。

「おいっ…折角10代目がお声を掛けてくださっているんだ、なんとか言えっ!」

「ご…獄寺くんっ!!」

ケンカを売っているとしか思えない言動に、僕はトンファーを構える。

「さっさと行きなよ。チャイムが鳴るよ」

草食動物は、懐からボムを取り出す獄寺隼人を、必死に止めている。

「ひ…雲雀さんっ、すみませんっ……!!」

焦って僕と獄寺隼人の前に草食動物は割り込んだ

「コイツっ……果たすっ!!」

「ダメだよっ、獄寺くんっ!」

目をぎらつかせる獄寺隼人を睨み付けると、僕は腹の中に溜まったままの一番言いたかった言葉を選んで、草食動物に投げつけた。

「ねぇ、僕が行くと思ってるの?」

その言葉に目に見えて分かるように、草食動物は肩を落とした。

「そう…ですよね。……スミマセン、朝からうるさくして」

「分かっているならさっさと教室に入りなよ。チャイムが鳴っても昇降口にいたら、咬み殺すよ」

ビク付く草食動物を睨み、1歩前に踏み出した。

「このっ…!!」

「獄寺くんっ!」

門をくぐる生徒たちがだんだん足早になっていく中、この場所だけ異様な空気だった。

草食動物は頭を下げると獄寺隼人の背を押しながら、昇降口に向かう。だが山本武はその後をすぐには追わず、僕の肩に気安く手をかける。

「遅くなっても良いから、来いよ。…誕生日って祝ってくれる人間が多ければ多いほど、嬉しいもんだぜ?」

僕が肩に乗った手をふりほどく前に、寿司屋の息子は踵を返して、草食動物たちの後を追った。

 

その背中を見ながら、雲一つない空にチャイムの音が響き渡る。

 

なんで、朝からこんな気持ちになるんだろう。

 

ディーノが誕生日だから…それが何?

 

僕には関係ないことだ。

 

 

言葉にして、それが言えなかった。






ディーノの誕生日に向けて書いたモノですが、
間に合わなくてあえて挫折。。。
続きは近々上げる予定です。
エロナシです。
雲雀がディーノをどう意識していくのか書いてみたかった話ww

校正入って貰ってないので、誤字脱字は大目に見てください。

拍手[0回]

PR
この記事にコメントする
color
name
subject
mail
url
comment
pass   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
休みの日には HOME ラフ画
photo by 七ツ森  /  material by 素材のかけら
忍者ブログ [PR]
カレンダー
06 2025/07 08
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
プロフィール
HN:
橘高潤
性別:
非公開
趣味:
ビーズ作り、裁縫etc
自己紹介:
家庭教師ヒットマンREBORN!・図書館戦争・ブレイブストーリー・ヒカルの碁・ガンダムSEEDシリーズなどのアニメ、漫画が大好きです。
ビーズや、裁縫などを趣味にしてます。
カウンター