好きだった。
ヒマワリ色のあの人を不思議な程にそう思った。
だから勝ったら告白しないまでも、素直になろうと思ってた。
あの人の言葉をちゃんと聞けるくらいになりたいと、そう思えた。
だけど、
「イタリアへ帰るよ」
いつものヘラヘラとした顔でそう告げてきた。その一言で、胸の奥にあった初めて芽生えた気持も何もかも消し飛んだ。
実らない想いはまるで、苦手だった淡いあの桜と同じだった。
この気持ちと一緒に桜が散る頃、終わりを告げた。
【遥か…】
指輪争奪戦が終わりを告げ、暫くすると何事もない日々が過ぎていく。
学校の校舎もあっという間に元に戻り、あんなことがあったとは誰も気づかなかった。
平凡な毎日。
アレは何だったのだろうと思う。
だが、手の内に残る指輪を見ると、現実だったのだと気づく。
最初の数日は、忘れようと必死だった。
太陽のようなあの人も、自分がボンゴレの守護者であることも。
夢であればいいと思っていた。
「イタリアへ帰るよ」
いらないと放り投げたはずの指輪をディーノは雲雀に差し出した。
それを受け取るのもイヤでまた「いらない」と突っ返したのだが、ディーノはそれを雲雀の掌に握らせるとその手を包み込み言ったのだ。
「家庭教師はコレで終わりだ」
雲雀の心を知っているかのような間合いで、ディーノは言葉を綴る。
「また会うこともあるだろうけど、元気でな」
応接室に突然やってきて、そして去る時も突然だった。
僕はどうすればいいの?
勝ってそれでこの後は?
突然離された手を握ることが出来なかった。
あまりにも高いプライドが、群れを成すのが嫌いな自分が、ずっと拒み続けてきたのに何故あの姿だけを忘れられない。
応接室に茜色の光が差し込む。
手にしていたモノを閉じると、棚にそれを戻した。
干渉に浸ってしまったのはこの空の色のせい。
金色の太陽が、これでもかとその光を自分に見せつけるから、忘れたはずの小さな恋心が頭をもたげた。
ちりりと感じた事のない痛みを覚えた。
「…なに、これ?」
胸を押さえる。
殴られても何をしても痛みを感じたことがなかった。自分はもしかしたらロボットなのかも知れないと思った程。
だけど初めて感じたその痛みは、何よりも強かった。
この光を見るたびこの痛みが自分を襲うのだろうか?
自分はあの人に何もかも壊されてしまった。
雲の守護者の指輪を押しつけ立ち去った男によって。
ガシャーンッ!
窓ガラスをたたき割ったその手は確かに痛みを感じる。
だけど胸の痛みを消すことは出来ず、胸の中の空虚も埋まらない。
ただ飛び散ったガラスを、雲雀は見つめるだけだった。
続く
雲雀が恋を知ったら一途なんだろうな。
そう思って出来たお話し。
丁度聴いていた曲に、ピッタリと二人の想いが噛み合った曲が、
【遥花~はるか】Melody。
雲雀はディーノを好きになったら、彼の罪も全部許して受け止める。
そう思ったら、文章をバスの中で携帯に打ってました。
雲雀は恋も愛も知らない子どもだけど、一途な子だと思います。
プライドは高いけど、素直になったらそりゃぁもう・・・
でも素直になれないし、自分を崩すことが出来ない。
意地っ張りで怖いモノなんてない。
孤独も感じない。
そんな雲雀が恋をしたら…・その相手が、遠い国の人で自分の家庭教師で。
その手は雲雀よりも血に汚れていて、この先もずっと泥沼の道を歩く人。
手を血に染めることを嫌がって居た人。
手を血で染めることを厭わない人。
そんな二人が・・・
ってそれだけでご飯3んばいいけます!
暫く私の妄想劇にお付き合いを。
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おおー
おおー ほんと太陽のような人だよね
ディーノさんって…ヒバリさんもはまったら
その人しか 見えなくなるってゆーのも
すごく よく分かる ってゆーか ディーノさんぐらいしか ヒバリさんを惚れさせられる人はいないと思うけどね
バスの中にいたときに マンガの神様が
舞い降りたのですね(うちではこのように
表すのですが‘笑)
すぐメモりたい気持ちよーくわかります!
その調子で夏までがんばりましょう!
ディーノさんって…ヒバリさんもはまったら
その人しか 見えなくなるってゆーのも
すごく よく分かる ってゆーか ディーノさんぐらいしか ヒバリさんを惚れさせられる人はいないと思うけどね
バスの中にいたときに マンガの神様が
舞い降りたのですね(うちではこのように
表すのですが‘笑)
すぐメモりたい気持ちよーくわかります!
その調子で夏までがんばりましょう!
妄想が突っ走っております
原稿をやっている時の勢いと違って、神様が降臨すると、凄い早さでかき上げます。
先日買った同人誌の影響もあるのですが、最近は好きな曲を聴きながらなので、勢いが半端じゃねぇです。
多分、明日にまた続きが返そうな勢い。
雲雀が恋したら…
それをテーマに、心の葛藤を書きたくて仕方ないです。
多分勢いでイラストも描けそう!
ってなわけで、最後までお付き合いよろしくね。^^;
先日買った同人誌の影響もあるのですが、最近は好きな曲を聴きながらなので、勢いが半端じゃねぇです。
多分、明日にまた続きが返そうな勢い。
雲雀が恋したら…
それをテーマに、心の葛藤を書きたくて仕方ないです。
多分勢いでイラストも描けそう!
ってなわけで、最後までお付き合いよろしくね。^^;