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ξ引き籠もり中ξ
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うぎゃぁぁっ!
ここまで来て煮詰まった。

って分けで、多分煮詰まった理由は読めば分かると思いますが、
なんかもー書いていて、だんだん雲雀が雲雀じゃねぇよっ…って思ってしまいましたよ。
感想聞くのって怖いけど、聞きたいモノだよね。(多分無いけどww

読んでいる人って、O嬢以外にいるんかいな?
O嬢、いつもありがとねー♪



 
 
 
心臓が爆発しそうな勢いで打ち付ける。
なんだ、なんだ!?
 
雲雀は後を追ってきているだろう人の事しか考えられなくなった。
 
日本に来ていて連絡すら寄越さなかったのに、何故自分を迎えに行こうとしていたのか。
それも、
『普通に会って嬉しかったら、抱きしめるだろ?』
 
嬉しかったって?
 
顔が熱くなるのが分かる。
 
そう、自分も嬉しかったのだ。
抱きしめられて嘘みたいに、幸せを感じてしまった。
 
胸の中に、小さな光が点りそれが大きく花開いたような感覚。
嬉しくて目眩すら覚えた。
あの大きな手に抱きしめられ続けたかった。
だけどそんな自分を曝すのもイヤだった。
 
だから――――
 
追ってくる足音から逃げた。
 
でも、追って欲しくて目の前に見えたモノに、飛び乗ってしまった。
 
 
ディーノは角を曲がった所で雲雀の姿を見失った。
人混みが途切れたところ。
その先の路肩に見慣れた車が止まっていた。
「ロマ!」
駆け寄り、窓をコツンと叩く。
「おせぇよ、ボス」
窓を開けると、車内で煙草を吸っていたのか、煙が流れ出す。
「悪りぃ。なぁ、恭弥見なかったか?」
迎えにも来なかったくせにと、内心ぼやきながらディーノは辺りをもう1度見渡す。
がロマは返事をせずに、親指で車の後ろを指さす。
それにはっとして、スモーク越しに中を伺った。何かがもぞっと動く。
 
「煙草が嫌いなのに、躊躇いなく乗ったぜ」
「らしいな。…ロマ、悪いがホテルに向かってくれ」
自分で後ろドアを開けると、黙ったままの隣の人物に紙袋を差し出し隣に乗り込む。
「寿司屋に行かなくて良いのかよ、ボス?」
ツナたちは山本の家に向かっている。そこに用があって雲雀を探していたのだ。だが、今のディーノにはそれよりも優先すべき事があった。
「コイツが行くとは思わないからな。悪いが後でツナたちに連絡取ってくれ!」
sì Capo!」
 
ゆっくりと車が走り出す。そんな中、黙ったまま雲雀は窓の外を見つめていた。
ディーノは先ほど雲雀の置き忘れた紙袋を渡しただけで、何も言わない。
だから余計に、居心地が悪い。
その上、容赦なくロマーリオは煙草を吸っている。
雲雀は我慢ができなくなり窓を全開にした。途端、雲雀の方に煙が流れてきた。
「あ、バカだな…」
「ケホッ…ちょっと、部下の躾がなってないよっ!」
「悪ぃな、恭弥。後で言っておくよ」
「今言うべきなんじゃないの?」
いつもの調子の雲雀に、ディーノはフッと頬を緩めた。
「やっと元の恭弥だ」
ハッとした。
嵌められたのだ。
ミラー越しににやつく髭男の顔が見えた。途端、雲雀は運転するロマーリオの椅子の背を蹴飛ばした。
「げっ!」
その衝撃で車がふらついた。ロマは躊躇わずブレーキを踏む。
シートベルトをしていない雲雀とディーノはもちろん、衝撃に背中をぶつけた。
「恭弥っ!」
奇しくもそこは、ホテル前。
雲雀は黙って、シートに凭れたまま腕を組んでいた。
「お前なっ…事故ったらどーすんだっ!!」
雲雀はちらっとディーノを見て、息を切らすロマーリオを睨む。
「あなたの部下が、そんなヘマする訳無いでしょ?」
ってことはだ、分かっていて蹴りを入れた訳だ。
「ボス、もう一度コイツを教育し直した方が良さそうだぞ」
ディーノはふて腐れている恭弥をじっと見つめ、その腕を取った。
「何する気!?」
腕を振り払おうとしたが、振り払えない。なんてバカ力。
「良いから下りろ!」
「言われなくても、下りるよ!離しなよっ…」
いつものセリフが出てこない。この男と居るだけで、だんだん自分らしさを失っていく気がする。
苛立ちが募る。
車を降りたところで突然ディーノは腕を放す。雲雀の腕にくっきりと朱い痕が残った。
「2度と同じことするなよ」
下りるなり第一声、ディーノは言い放つ。
「くだらない事するからだよ」
ディーノの眼光を真っ正面から受け流し、用は済んだと背を向けた。
「恭弥っ!」
「…うるさいっ!家庭教師は終わったんだろっ!?もう関係はないんだっ……いい加減目障りなんだよっ!!」
 
――――――ブチッ…
 
胸元に下げていた指輪を鎖事引きちぎる。
 
それを投げ捨てるようにディーノに放った。
「僕は群れる気も、その群れの一角を担う気もない。大人の決めた勝手なルールで勝手に戦わせて、良い迷惑だ。欲しければ誰にでも上げなよ。僕には必要の無いモノだ」
 
ディーノは足下に落ちた雲の守護者の指輪をそっと拾う。持ち主に捨てられたような指輪は、太陽の光を浴びて鈍く光った。
「コレを持つのは、お前しかいない」
背を向けた雲雀の背中に、雲雀にしか聞こえない低い声でつぶやく。
「誰も一角を担えとか、俺たちの決めたルールで縛るとか言ってない。…確かに、あの戦いは大人たちの勝手な考えだった。それは認める」
雲雀は振り返らない。
「お前は、お前のやりたいやり方で、並盛を守ればいいだろ?ただ、それにコレがあった方が動きやすいと思ったから――」
「煩いっ!黙れっ!」
ディーノは続きが言えなくなった。
雲雀が本気で怒っていることが、その背中で分かる。
自分と同じなのだと。
自分が部下をどれだけ大事にして、どれだけ守りたいと思っているか。
それに対して雲雀は、自分のすべてを自分自身で守るしか無いのだ。それもたった一人で。
 
孤独を背負っている――
 
ディーノはその小さな背中を抱きしめたくなった。
「恭弥…こっち、向けよ」
小さな肩が震えているのが分かる。
耐えている小さい背中が愛しくてたまらない。
「恭弥…ちゃんと、話がしたい」
震える背中は、ディーノが近づいてくるのに気づいている。だが、そこから動こうとはしなかった。
 
「恭弥…ごめん。……あんな一言でお前を突っぱねた」
 
後ろからそっと、その背中を腕に抱きしめる。
 
「好きだ…恭弥」
 
雲雀はそれこそ、言葉もなくその場に固まった。
 
 

続く


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「えっ…!?」
見つかるなんて思ってなかったので、腕を引かれ抱きしめられて本当に驚いた。
自分をここまで探す人は今まで居なかったから。
ディーノの腕の中で動くことすら忘れてしまった。
胸に感じた痛みがキレイに消えている。
心臓が、どくどくと早鐘を打つように鳴り響き、呼吸すらままならない。
 
「恭弥…なんで逃げるんだよ?」
ずっと雲雀を抱きしめたままホッとしたようにディーノは溜息をつくが、まだ息が荒い。
「ちょっ…苦しい。離せっ!」
トンファーでそのアゴを下からグイグイ突き上げるが、雲雀の背中に回された腕は緩むことがなかった。
「いてぇって、恭弥。なんで抱きしめちゃいけねぇんだよ?」
「暑苦しいよ!それにっ…会いたくない人と会って、抱きしめられて喜ぶ人間がどこにいるのっ!?」
憎まれ口を叩いた。
素直になろうと、あれ程思っていたのに会ってすぐそんな事は頭の中から消えた。
「普通に会って嬉しかったら、抱きしめるだろ?」
ディーノは外人だからなのだろうか、スキンシップを好む。良く沢田綱吉にも抱きついたりしていた。
それを自分にもする辺り、怖いモノ知らずだと思う。
「だからっ、人の話聞いてるのっ!?」
なんで離れないんだ。人の気も知らないで…。
こんなの、拷問よりも酷い。
押し問答を繰り広げている中、ディーノの後ろで聞き覚えのある声がした。
「雲雀みつかったのか?」
「あ、ディーノさんっ!」
「いたんですかぁ~?」
狭いビルの入り口に、草食動物たちがこぞって入ってくる。
「なっ…なんでっ!?」
ボンゴレファミリーが雁首を揃えて、ディーノに抱きしめられている雲雀を覗き込む。
「あ、ホントに私服ですねっ!」
「恭弥兄、似合ってるよっ!」
揃いも揃って、口々に雲雀の服装を珍しいと眺める。
 
ブチッ…――――
 
雲雀の中で、何かが切れた。
そしてその切れた音と共に、破壊音がビルの中に響き渡る。
 
――――ドゴンッ!!
 
「げっ!?」
 
即座にディーノはその攻撃を避け、ツナたちをかばう形で雲雀と対峙する。
「僕の前で群れるとは、良い度胸だね。ご褒美に一人ずつ咬み殺して上げるよ」
「まっ…」
ディーノが止める間もなく咬み付きにかかる。
「うわーーーっ!」
「きゃっ!」
ハルや京子の悲鳴に、ツナが二人をビルの外に庇うように連れて出た。
「雲雀っ、てめぇっ!」
獄寺隼人がボムを手に雲雀に飛びかかった。が、トンファーがうなりを上げすべて真っ二つにする。
「スモーキーボムっ…下がってろっ!」
「獄寺っ!」
後ろから腕を引くように、山本が狭いビルから獄寺を連れ出す。
こんな所でボムなんか投げたら、それこそ大騒ぎになりかねない。
「最初に咬み殺すのは、どうやらあなたのようだね?」
「恭弥っ、こんな所でやめろっ!」
唸りを上げ迫ってクルトンファーを、すんでの所でディーノは避け、狭いビルの壁に強かに背中をぶつけた。
「遅いよ」
追いつめたエモノを取り逃がさないとばかりに、雲雀のエモノが鈍く光空を切った。
 
――――ガツッ!
 
鈍い音がトンファーの勢いを殺した。
「ちっ」
ディーノの鞭によって、容易く受け止められたのをもう片方のトンファーで薙ぎ払う。
それを百も承知で居たらしいディーノは、雲雀の隙をついてビルの外に躍り出た。
「ディーノさんっ!」
 
外では何事かと人が集まりだしてきていて、それを獄寺や山本が何でもないように追い払ってはいるが、飛び出てきてディーノの姿が尋常ではないことに誰もが気づいた。
「恭弥っ!ここじゃ話になんねぇ。場所を変えようぜ」
その声に返事はない。
光が届かないビルの中にディーノはもう一度入っていくと、そこには紙袋が起き去られていた。
 
「ディーノさん。あの…雲雀さん…」
恐る恐る伺うツナにディーノは苦笑いを返した。
「悪りぃ。逃げられちまったみたいだな」
「ボス、情けねぇな。仮にも、この前まで家庭教師だったんだろ?」
ロマーリオは呆れながらも雲雀が置き忘れた紙袋を拾い上げる。
「ロマ、それは…」
「恭弥の買った物らしいな」
ディーノは肩を竦めると、
「俺が渡しに行くよ。その序でに話してみる」
「良いんですか!?」
ツナは申し訳なさそうに、その紙袋を見た。
「ああ…ちゃんとイタリアに帰る前に話をしなかった俺も悪いからな」
何のことか分からずツナは首を傾げた。
「ツナ、先に山本たちと行ってろよ。ロマ…悪りぃが車廻してくれ」
「イエス、ボス」
ツナが渋々と言った感じで、獄寺たちと立ち去って行く姿を、ディーノは見送った。
 
「……恭弥、出てこいよ。話をしようぜ」
 
誰も居ないはずのビルの中に向かって、ディーノは声を掛けた。
すると、奥の方に人影が通り過ぎる。
どうやら裏の方から外に出たらしい。
ディーノはゆっくりとした足取りで、その後を追った。
 
 
続く

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photo by 七ツ森  /  material by 素材のかけら
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家庭教師ヒットマンREBORN!・図書館戦争・ブレイブストーリー・ヒカルの碁・ガンダムSEEDシリーズなどのアニメ、漫画が大好きです。
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